次に、<早産><切迫早産>についてお伝えします。
妊娠37週~妊娠41週の出産のことを正期産と呼びますが、それより前の出産を早産といいます。全妊娠の約5%が早産で、その原因は細菌の感染や母親の体質によるものが多いといわれていますが、切迫早産とはその一歩手前の状態になることをいいます。具体的には、子宮収縮が頻繁に起こり、子宮口が開いて赤ちゃんが出てきそうになったり、破水してしまったりすること。子宮口があまり開いていない場合は、通常通院による治療になりますが、子宮口の開きが進行している場合は、入院して子宮収縮抑制剤の点滴治療が必要になります。
早産の場合、生まれてきた赤ちゃんは、新生児集中治療室(NICU)での治療が必要になったり、後の健康状態に重大な影響を及ぼす「低出生体重児」になるリスクが高まったりします。
(低出生体重児に関しては、第1回「『小さく産んで大きく育てる』は間違い? 低出生体重児のリスク」に詳しく掲載しています。 https://stg.baby.mikihouse.co.jp/information/post-1212.html)
ママは早産を予防するためにも、できるかぎり無理のない妊娠生活を心がけたいもの。重いものを持たない、体を冷やさないというのは基本ですが、それらは早産の前兆となる「お腹の張り」を助長するから。お腹の張りが1日2~3回程度で横になってすぐ改善する程度だったら経過をみていても構いませんが、頻度が増えたり、いつまでも続いたりするようなら、かかりつけの産婦人科を受診しましょう。
<妊娠糖尿病>になることも、妊娠時のトラブルのひとつです。これは、妊娠をきっかけに血糖値が正常よりも高めな状態、つまり「糖代謝異常」になってしまうことをいいます。その原因は、妊娠によるホルモンバランスの変化や、お腹の赤ちゃんにエネルギー源であるブドウ糖を優先的に送ることにより、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効き目が抑えられてしまうためです。
ママの血糖値が乱れることによって、最も影響を受けるのはお腹の赤ちゃん。身体や脳の発育にも関係し、最悪の場合、胎児や新生児が亡くなってしまう要因にもなってしまいます。また、妊娠前から血糖値が乱れていると妊娠糖尿病にかかるリスクが高まります。急な血糖値上昇の原因となる、甘いものの食べ過ぎや、空腹状態を長時間続けることなど食生活にはふだんから気を配っていきたいところです。
その他出産時のトラブルとしては、<帝王切開>も。当コラムの第3回「いまや5 人に1人が経験『帝王切開』出産の今」をぜひ参考になさってください。(https://stg.baby.mikihouse.co.jp/information/post-1709.html)
初めての妊娠で、「これから何が起こるのか不安…」と思っているプレママも多いでしょう。実態を理解することで、万が一のときにも柔軟に対応できるようにしておきたいものですね。
でもトラブルが起こらなことが一番。小さなことでも気になること、気がかりなことは、通っている産婦人科の先生に相談しましょう。また「これくらいは大丈夫」で無理をしてしまうこともあるので、体調の変化にも十分気をつけてくださいね。
【引用元】
・先輩ママに聞く、妊娠・出産時のお金に関する調査-ライフネット生命
https://www.lifenet-seimei.co.jp/newsrelease/2013/4770.html#anchor3
・お悩みアンケート~妊娠・出産編「つわり」-コンビタウン
http://www.combibaby.com/c/1950/