<今回の掲載データ>
■ 妊婦健診を受診しない理由
■ 未受診妊婦の分娩状況
■ 未受診妊婦と低出生体重児の関係
子どもをお腹に宿したら、無事に出産するために定期的に病院で健診を受ける必要があります。けれど、さまざまな理由で出産の日までまったく病院に行かない「未受診妊婦」も少なからずおり、社会問題化しています。
都道府県レベルで初調査 500人に1人が「未受診妊婦」という現実
2009年に大阪府は、未受診妊婦を「妊婦健診を1回も受けずに分娩または入院に至った」「全妊娠経過を通じての妊婦健診受診回数が3回以下」「最終受診日から3か月以上の受診がない」のいずれかに該当する者と定義し、未受診妊婦についての調査を都道府県レベルでは初めて実施しました。
2009年1月から1年間にわたった同調査の結果(*1)によると、合計で152例の未受診妊婦が報告されました。大阪府内の当時の分娩数が年間約77,000件ですから、その割合は0.2%。つまり、「府内でお産する人の500人に1人」が未受診妊婦という結果になりました。
受診しなかった理由としては(図1)、「経済的理由」を挙げたケースが33%と最も多く、「妊娠に気づかなかった」、「どこに行ってよいかわからなかった」など、自分の身体や社会システムへの「知識の欠如」が21%と続きました。また、未受診妊婦の年齢構成は、13歳から43歳まで。平均すると28.3歳で、そのうち中学生2人を含む未成年は24人いました。全体の40%が初産で、69%が未婚という結果に。
(*1)大阪府内で分娩を行う約160の施設すべてに調査を依頼、95施設から回答を得た。調査協力をしなかった医療機関については、過去に未受診妊婦を受け入れたことがなく、今後も受け入れないという返答。したがって、同調査はほぼ大阪府全域の調査が行われたものと考えられる。