妊娠、出産にまつわるデータ集:第11回 
立会い出産の割合

ミキハウス編集部

立会い出産しなかった理由の1位は「産婦が希望せず」

立会い出産は増えていると先ほど述べましたが、立会いのなかった出産も少なくありません。その理由にはどんなことが考えられるのでしょうか?

経腟分娩で立会いがなかった理由として、以下のような回答がありました。「産婦が希望せず」50%、「その人が多忙」14%、「その人が希望せず」11%、「医療側の理由」10%(図2)。

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出産をする女性の半数と、夫など立会う人の1割が、立会い出産を希望していないというわけです。夫が付き添うことを産婦が「恥ずかしい」と思ったり、夫自身が「出産に立会うのが怖い」と思ったり。また、実際に夫が立会った経験のある女性からは、「立会おうという気持ちはうれしかったけど、失神して病院に迷惑をかけた」「立会った夫が役に立ったかというと、いまいちよくわからない」という声もあり、立会い出産に対する、夫婦やご本人の考え方、感じ方により違いがあるようです。

「医療側の理由」というのは、病院側が認めていないというものですが、2006年調査の21.2%という数字と比較すると、およそ半分に減っていることがわかります。とくに、大学病院と一般病院で改善されているそうで、高次医療を行うことが多い医療機関でも、なるべく出産する人たちの希望を受け入れようと努力しているようです。

日本での立会い出産の歴史は50年ほど。それより前は自宅で出産する人が多かったことを考えると、新しい命の誕生をその瞬間から、家族みんなで共有することは珍しいことではありませんでした。どんな出産をし、どんなふうに赤ちゃんと対面するのか。パパとママで話し合い、いちばんよいと思う方法を選択するのが大切でしょう。

 

【引用元】
母親が望む安全で満足な妊娠出産に関する全国調査——厚生科学研究補助金 政策科学総合研究事業
http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/pregnancy/G0000595/03_RQ2.pdf

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