もちろん、赤ちゃんが生まれてからも親の喫煙は悪影響を及ぼします。
元気だった赤ちゃんが、事故や窒息ではなく眠っている間に突然死亡してしまう「乳幼児突然死症候群」(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)。まだ解明されていない事柄の多い病気ですが、「うつぶせ寝」「人工栄養児」(粉ミルクで栄養摂取をする子)とともに、「両親の喫煙」と発症の関係についての調査結果が出ています。1997年度の厚生省心身障害研究「乳幼児死亡の防止に関する研究(主任研究者:田中哲郎)」によるものですが、両親が喫煙する場合は、しない場合の約4.7倍の値でSIDSの発症率が高くなると報告されているのです。
受動喫煙の問題もありますが、胎児よりも乳児のほうがニコチンの影響は大きくなることも指摘されています。これは、乳児が母乳を飲んでいる場合ですが、血液からよりも母乳からのほうが、赤ちゃんはニコチンを凝縮して吸収してしまうから。その結果、赤ちゃんに不眠、下痢、嘔吐や脈が速くなるなどの症状が出ることもあります。
喫煙の赤ちゃんへの影響は、想像以上に大きいものです。しかし、喫煙の習慣がある女性でも、妊娠前に禁煙した場合は子どもの出生体重は喫煙しない妊婦と同レベルに。また、妊娠初期にタバコをやめることができなくても、妊娠3~4ヶ月までに完全に禁煙すれば、低出生体重児や出産トラブルのリスクを減らせるとも言われています。
赤ちゃんを健やかに育てるための準備は、たとえ遅くなってしまったとしてもやっておきたいこと。プレママ、ママだけでなく、パパやその他の家族も改めて喫煙に関するリスクを把握し、何ができるかを考えてみましょう。
【引用元】
・喫煙の健康影響について―厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/kaigi/060810/07.html
・飲酒、喫煙と先天異常―日本産婦人科医会
http://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/insyu.htm
・乳幼児身体発育調査―厚生労働省
http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/73-22-01.pdf
・妊娠判明時の母親の喫煙率―時事通信社
http://www.jiji.com/jc/graphics?p=ve_soc_health20140222j-06-w350
・厚生労働省の最新たばこ情報―公益財団法人 健康・体力づくり事業財団
http://www.health-net.or.jp/tobacco/ladies/mr4000003.html