妊娠、出産にまつわるデータ集:第8回 
妊娠中の母親の喫煙率

2014.10.31

ミキハウス編集部

<今回の掲載データ>
■妊婦の喫煙状況
■妊婦の年齢別喫煙状況
■妊婦の都道府県別喫煙状況

妊娠中のママの喫煙は、決して小さくない問題です。妊婦の喫煙率は減少していますが、最近では、経済格差による喫煙率の地域差も明らかになってきました。プレママをめぐる喫煙の実態を見ていきましょう。

 

妊婦のタバコによる2大リスクとは?

喫煙による健康被害のリスクは広く知られていますが、おなかに赤ちゃんのいる妊婦の喫煙は、本人だけでなく胎児にも影響が及ぶので、重大な問題です。

第一に喫煙している妊婦は、喫煙していない妊婦に比べて、早期、自然流産、前置胎盤や胎盤早期剥離の危険が高まります。その増加数は2~3倍といわれています。第二に、生まれてくる子の出生時の体重が2,500g以下になる確率が高まります。いわゆる「低出生体重児」ですが、その数は約2倍。その理由は、胎盤によって母親と胎児がつながっているから。タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素が母体に吸収されることによって、子宮内の血流が減少したり、血液中の酸素が少なくなったりします。このことが胎盤と胎盤つながる胎児の低酸素状態を招き、出産トラブルへとつながるのです。

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厚生労働省は、2010年に行った「乳幼児身体発育調査」において、乳幼児がいる母親12,426人を対象に妊娠中の喫煙について調査しました(図1)。その結果、「吸う」と答えた人は、384人で全体の5.0%。1日に吸う本数では、「1~2本」が45人、「3~5本」が108人、「6~10本」が158人、「11本以上」が72人でした。10年ごとの頻度で実施される同調査ですが、前回にあたる2000年の調査で「吸う」と答えた人の割合は10%。10年で約半減したわけですが、これは日本全体の喫煙率の低下と比例するものです。よい傾向にあるといえますが、それでも妊婦の5%が喫煙するという現実は、重く受け止めなければならないことに違いはないでしょう。

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