妊娠、出産にまつわるデータ集:第3回 
いまや5人に1人が経験 「帝王切開」出産の今

2014.06.19

ミキハウス編集部

赤ちゃんを無事に産むために緊急手術になる場合も

帝王切開でのリスクが減ったとはいえ、開腹をともなう手術であるため、少なからず怖さを感じる人もいるでしょう。それでは、次にどのようなケースで帝王切開が必要になってくるのかを見ていきましょう。帝王切開には、母子の状況に応じて2種類の方法があります。 

ひとつめが、<予定帝王切開>。経膣分娩ができないことが妊娠中から判明した場合、帝王切開での出産をあらかじめ選択するものです。通常、妊娠後期の陣痛が始まる前、妊娠38週前後に行われます。

通常と異なり、赤ちゃんが頭を上にしている「逆子(さかご)」の場合や、胎盤が子宮口をふさいで赤ちゃんが外に出られない「前置胎盤(ぜんちたいばん)」の場合など、いろいろなケースが考えられます。

ふたつめが、<緊急帝王切開>。陣痛が始まったときは経膣分娩を予定していたけれども、分娩の進行のなかで異常が認められ、母子に危険が生じると判断された場合に緊急処置として行われるものです。

緊急帝王切開になるのは、赤ちゃんに酸素が十分に送り込まれない状態である「胎児機能不全(たいじきのうふぜん)」の場合や、「微弱陣痛」で陣痛促進剤をつかっても状況が改善されない場合などです。

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「平成23年社会医療診療行為別調査結果」によると、2011(平成23)年6月審査分の帝王切開の実施件数は、以下の表のようになっています。予定帝王切開が約65%ですが、緊急帝王切開も約35%あります。誰にでも帝王切開になる可能性があるということを心にとめておいたほうがいいかもしれません。

(*2)切前置胎盤を合併する場合又は32週未満の早産の場合。

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