<今回の掲載データ>
■出生数と合計特殊出生率の年次推移
■合計特殊出生率の年齢別の年次推移
■出生数と理想の出生数の推移
深刻な状況が続く、日本の「少子化」問題。その一つの根拠となっているのが「合計特殊出生(しゅっしょう)率」の低さです。今回はこの数字をもとに、妊娠、出産をとりまく現状を見ていきましょう。
2013年の出生数は102万9800人で過去最低
合計特殊出生率は1.43
2013年の出生数は102万9800人で過去最低を記録。合計特殊出生率は1.43で、前年より微増という結果となりました。
「合計特殊出生率」とは、15~49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの。年次・国・地域別に比較するため、「一人の女性が生涯に産む子どもの数」を示す指標として見なされています。今の人口を維持するのに必要な合計特殊出生率は、日本の場合2.08。子ども1人の出産には母親と父親の2人がかかわり、それに親の年齢になる前に亡くなってしまう子どもがいることを考慮して、この数字が算出されています。
日本では1975年に初めて合計特殊出生率が2.00を割り込みました。その後1989年には1.57になり、これは、丙午(ひのえうま)だった1966年の1.58より低い値に。丙午は、その年に生まれる女の子は気性が荒いという言い伝えがあり、出産を避ける人も多い年。それを下回った1989年を下回る結果は「1.57ショック」と呼ばれ、日本の少子化の進行を象徴する出来事となりました。
厚生労働省が発表した「平成25年人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、2013年に日本で生まれた赤ちゃんの数(出生数)は、前年より7231人少ない102万9800人で、過去最少を記録。調査開始以来、最高の出生数を記録したのは1949年で269万6638人でしたが、それと比べると160万人以上も減少していることがわかります。一方、2013年の合計特殊出生率は1.43で、前年の1.41を0.02ポイント上回る結果に。2005年に1.26と過去最少を記録して以降、前年より微増という状況が繰り返されています。(図1)