「無理をしないで、人に甘えて」 
森三中・村上知子が語る“ムーさん式子育て”《前編》

ミキハウス編集部

「ひとりで抱え込む前に、とにかく他人を頼った方がいいです」

I――子育てをする上で、モットーにしていることってあります?

ムーさん――自分で抱え込みすぎずに“甘えること”ですね。だって、ひとりでやるって無理ですもん(笑)。夫、母、友だち…全部を背負い込まず、人を頼り、話せるような環境をつくっておくことも大事だと思っています。だからこそここまでやってこられたのかな。

I――そのスタンスはいつからです? 

ムーさん――妊娠中からそうです。だって不安だらけですし、なにをしていいかもわからない。最初なんて、自分の体調のこともそうだし、どんなグッズを揃えていいのかも、どういう子育てがいいのかもわからない。雑誌やネットにいろいろ書いているけど、どれが自分にとって大事な情報か判断つかないですし。だから自分に近い人の意見、考えを頼りながら、子育てしてきた感じがします。

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I――一口に「子育て」といっても、たとえば出産直後〜最初の12か月、さらにそこからハイハイの時期、歩けるようになる時期、イヤイヤ期、自我が芽生える時期…と、いろいろな“局面”があります。子育ての基本的なスタンスは変わらず、ですか?

ムーさん――そうですね、基本は同じだと思います。ただ、子どもがちょっとずつお喋りをするようになったけど、まだ何を言っているかわからない時期っていうのは大変だったなぁ。周りからは「ママが一番、話していることはわかるじゃない」とか言われるんだけど、それでもわからないことも多々あって。

I――そりゃありますよね(苦笑)。

ムーさん――娘もイライラして、キーっとなり、こっちもイライラしてぶつかったりして。そんなに長い期間じゃなかったけど、なんかつらかったですね。自分の子なのになんでわかってあげられないんだろう、とか思ったり。仕方ないって割り切っちゃえばいいんですけど…。まぁ、今では親も驚くほど饒舌なんですが(笑)。

I――なんとまぁ!

ムーさん――驚くほどに口が達者なんですよ! ちゃんと喋れるようになった後、3歳くらいまではずっと口下手で、おとなしくて、それでいて食事も選り好みせず何でも食べてくれて、どちらかというと手がかからない子だったんです。ウチの子は育てやすいなぁと思ってたんですけど、幼稚園に通いはじめて、どんどんお喋りが上達して、お友だちと関わるようになり、「え、あなたってそんな子だったの?」と驚くようなことが多発(笑)。それまでは、言い方はアレですけど、コントロールしやすい子だったのに、いまや制御不能ですね。

I――幼稚園で“開花”してしまったのですね。

ムーさん――そうですねぇ。でも今思うと、初日からスパークしてましたね。帰りの会の時間になっても遊びに夢中で教室に戻って来なかったらしく。それを先生から聞いて「え、ウチの子が?」みたいになって。そこからは日々、パワーアップし続けました。子どもって、どこで“開花”するかわからないですよ。今度、なにかのきっかけで、次なる開花をしちゃうとどうなるのかなっていう不安は、すでにあります(笑)。

I――そうやって変わっていくことも成長。不安はあるけれど、親としては見守っていくしかないのでしょうねぇ。

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